Mattermost v11 の仕様変更まとめ
- 株式会社ヴィセント 編集担当

- 7 日前
- 読了時間: 4分
SSO 廃止・API変更・250ユーザー制限の影響は?【GitLab 同梱版ユーザー必読】

Mattermost v11 が正式リリースされ、認証(SSO)・API・管理機能・Team Edition の利用制限など、企業の運用に大きく関わる変更が数多く発表されました。
本記事では、公式 Changelog の内容をもとに、企業利用に影響が大きいポイントを分かりやすく整理し、アップデートに伴う注意点・影響を受けやすいユーザー環境・対策方法を解説します。

※公式情報はこちら
■ 1. Mattermost v11 の要点まとめ(まず結論)
Mattermost v11 では、特に以下 4 点の影響が非常に大きくなります。
① 無償版(Team Edition)から複数の SSO が削除
GitLab SSO・Google OAuth・OpenID Connect(OIDC)などが利用不可へ。
② API・Webhook の変更で、Bot や通知連携が動作しなくなる可能性
GitLab CI/CD・社内通知などに影響が出ることも。
③ 多数の設定が “非推奨(Deprecated)” に追加
今後のバージョンで削除される予定の項目が大幅に増加。
④ 無償版のユーザー上限が明確に 250 名までに固定
実質的に中規模以上の Team Edition 運用が難しくなる。
特に GitLab 同梱版 を利用しているユーザーは、アップデート/放置どちらでも問題が発
生しやすいため注意が必要です。
■ 2. 無償版(Team Edition)で利用できなくなる主な SSO
v11 以降、以下の認証方式は 有償版(Professional / Enterprise)限定機能 になります:
・GitLab SSO
・Google OAuth
・OpenID Connect (OIDC)
・OAuth 2.0 認証全般
▼ 想定される問題
GitLab でログインしているユーザーが アップデート後にログイン不能
社内 ID 管理と連携している企業が 認証まわりでトラブル
一度ログアウトすると再ログインできなくなるケースも
とくに GitLab 同梱版で SSO を使っている企業は確実に影響を受けます。
■ 3. API・Webhook・Bot が影響を受ける変更
v11 では API 周りの更新が多く、以下に該当する環境では注意が必要です:
・GitLab CI/CD × Mattermost 通知
・通知 Bot(メンション・アラート)
・Webhook 連携
・外部システムとの API 統合
・独自プラグインを利用している企業
Bot や自動通知が突然動かなくなる可能性があり、特に DevOps/SRE チームで活用している企業は要確認です。
■ 4. 多数の設定が “非推奨(Deprecated)” に追加
v11 では多くの設定項目・API が非推奨扱いとなっています。これらは 次期バージョン
以降で削除予定 のため、「いまは動いている設定でも、将来必ず問題になる」ことが確定
しています。
▼ 非推奨項目の例
・古い API エンドポイント
・旧式プラグイン関連
・一部の管理設定
・レガシー UI/UX 依存の機能
▼ 旧バージョンを長く運用している企業ほど影響が大きい
特に v7〜v9 台で長期放置している環境 は、一気に v11 へアップデートすると複数箇所で
動作不良が出やすい傾向があります。
■ 5. 無償版(Team Edition)は 250 ユーザー上限が明確に
以前から仕様としては存在していた制限ですが、v11 にて正式に “250ユーザーまで” と
明記されました。
▼ 想定される問題
・利用人数が増加し限界に到達
・認証方式が制限され、組織内での統合が非効率に
・無償版での運用が事実上難しくなる
・中規模以上の企業で無償版を継続するのは現実的でなくなりつつあります。
■ 6. GitLab 同梱版は特に注意が必要
GitLab Omnibus にバンドルされている Mattermost は、v11 の変更の影響を最も受けやす
い環境の 1 つ です。
▼ その理由
・GitLab SSO が無償版で利用不可になる
・GitLab だけアップデートすると連携が壊れる
・API 変更で CI/CD 通知が止まる
・Deprecated 項目の影響を受けやすい
「GitLabだけ更新したらMattermostが動かない」という問合わせは実際に増えています。
■ 7. こんなユーザーは特に要注意(チェックリスト)
以下のいずれかに該当する場合、環境診断が必要な可能性大 です。
・GitLab 認証(GitLab SSO)でログインしている
・Team Edition(無償版)を利用している
・250 名以上で運用している
・長期間アップデートしていない
・Bot・Webhook・通知システムを利用している
・GitLab 同梱版をそのまま運用している
・カスタムプラグインを使っている
複数該当する場合は、v11 以降で影響を受ける可能性が高いと考えられます。
■ 8. まとめ:Mattermost v11 は “変化に気づかないと影響が出る” リリース
Mattermost v11 の変更は、
「見た目は大きく変わらないが、裏側の仕様が大幅に変わった」と言える内容です。
特に以下の 3 つは明確にリスクが高まっています:
・SSO 削除(無償版)
・API変更による連携停止
・非推奨項目の増加
アップデートしない場合も、アップデートした場合も、それぞれ違うリスクがあります。
■ Mattermost に関するお問い合わせはこちら(環境移行相談・バージョンアップ相談)
お問い合わせフォーム(株式会社ヴィセント)
※オフィシャルパートナーとして、運用相談・構築導入サポート等支援が可能です。

株式会社ヴィセント:https://vicent.co.jp/



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