OCRは、DX推進のファーストステップなのか?DX推進担当者の悩みを深堀してみた
- 株式会社ヴィセント 編集担当
- 2023年1月18日
- 読了時間: 1分
更新日:2023年1月25日

「DX進んでますか?」
仕事上、DX推進部の方のお悩みを聞く機会に触れあうことがあるのですが、上記のような投げかけをすることがあります。
「色々取り組まなくてはいけないと思っているけれど…他社事例はありますか?」
この問いに1営業パーソンとしては即答ができません。それは、企業ごとにスタートラインが異なり、課題も多様であるためです。
DXという言葉だけが先行し、実態があるようで輪郭がない感じがして、キャッチボールの難易度が上がります。問いに内包する意味と、DXという概念を再認識しようと思いました。DX推進サービスの提供者としての視点から深堀りしていきます。
DXの定義
まず定義を調べてみます。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること 出典:経済産業省「DX 推進指標」とそのガイダンス
デジタルデータの活用を基盤とした上で業務・組織体制を再構築、生まれ変わることで競争力をボトムアップさらにはリードしていく事業を目指しましょう
という政府からのメッセージと解釈しました。
DX=ペーパーレス?
DXの走りとしてよく取り組まれるのが、ペーパーレスです。紙による印刷や保管を無くし、PDFにするためにOCRを取り入れるという動きです。一番初めの一歩として取り組まれるケースがあります。
紙=アナログ
電子データ=デジタル
理由としては上記の認識があるためだと思われます。
実際に動き出してみると新たな壁にぶつかります。OCRを使用して電子データ化は可能ですが、量が膨大、管理体制が従来のまま(紙管理に慣れている)、取引先や顧客が電子化に適応できていない、新しい業務フローの体制づくり、段取りを作れないなど。慣習を変えるということは、やはり大変な作業と思います。ペーパーレス1つだけでも関わる部署や人が多く、推進担当だけではこなせない業務量です。
DX=IT化?
次に連想されるのは、IT化で、DX化と同じようにとらえられることがありますが、IT化はDXに内包されています。
出展:DX 化 (デジタル トランスフォーメーション) と IT 化の違いとは - Microsoft for business
システムやツールを導入することによって業務効率化を実現できますが、それで終わりではなくDXのきっかけの1つにすぎないというわけです。ITツールを導入したら完了というわけでもなく、利用者の業務負担を軽減するための教育やフォローも考慮する必要があります。
ITサービスやツールを導入するとなると必要になるのが設備投資によるコストは意外と抑えられる!?
設備投資によるコストは発生しますが、IT製品は以下のような優位性があります。
提供側:デジタルサービスやツールは、コピーが可能である。
導入側:企業共通の課題があるから自社でも適応できる
その結果、低コストでしくみを導入出来ることが実現できています。
提供側も汎用的なしくみの方がニーズに適応した製品を提供しています。ITシステムやサービスは難しいものではなく、汎用的で使いやすい、適応しやすいかたちに常にアップデートしています。
自社にとってのDXは何か
改めて問いかけによる回答パターンを思い付くままで並べてみました。 「紙をスキャンしてPDF化して紙消費削減」「クラウドシステムを利用して開発コスト削減」「チャットを導入してチーム単位でのプロジェクト進行を実現」「ワークフローを電子承認にして出社不要に」「90%テレワーク実施を達成して事務所を縮小し賃料カット」「オンラインストレージでデータ共有、人的動作が削減」「カスタマーセンターにチャットボットを導入し問い合わせ内容を集約し」「人が対応していた業務の一部をロボット化して自動化」 上記すべてDXの取組みとしては正解であるし、またその一遍でしかないということになります。
結論
冒頭の「OCRは、DX推進のファーストステップなのか?」に対する見解は NOです。 DXの推進というのは、 自分たちの課題を認識し、解決するための手法・手段を選び、実行することで得られる効果を受け取め、変化に抵抗しにくい組織への改造といえます。 1担当では実現できるものではなく、組織に関わる全体の協力がなくては推進はできません。
DX=?
?にはまる答えはなんでしょうか。それぞれ答え(課題)は、浮き彫りになってきていると思います。スタートラインが決まったら、手段を選びましょう。DX推進のファーストステップはすでに踏みだしています。
文責:吉田あかり
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